教皇様来日時に記念誌用の写真を撮影させていただいた想い
2019年11月23日フランシスコ教皇が日本に来る。11月24日に長崎でどうしても撮影したい。現在東京に住んでいる自分には大きなわがままとだと思うことを許していただきました。長崎の爆心地公園。長崎県営野球場(ビッグスタジアム)で撮影させていただけることになりました。
私個人としては2008年11月24日ペトロ岐部司祭と187殉教者列福式、午前中に長崎爆心地公園での献花の後、午後から殉教者列福式のミサを撮影させていただいきました。11年前も同じ会場で午前中から降る雨中で始まり、ご聖体拝領を受ける頃には、晴天になっていた事を思い出していました。 あの日から11年の歳月が流れたことを実感し、ホテルで明日の雨の撮影の準備をして撮影の段取りを確認し終えて眠りにつきました。少し緊張していたのでしょう。眠りが浅い状況で撮影している夢を見ながら目覚めたのを覚えています。
当日の24日の長崎の天気の予報は雷雨。午前中の爆心地公園では雷雨中での撮影になりましたが、今回はたくさんの来場者の方は警備が厳しい中、雨に濡れながら静かに数時間その場で待ち、そして他のカメラマンの皆さんがこの状況の中で頑張っているのを見て、また違う場所でも頑張っていることを想像して私も頑張らなければと思い、私個人が担当する撮影場所の撮影をスタートさせて、教皇様を写真に収めることに集中できていたと思います。
午後からの球場での、ごミサは晴天となり青い空が眩しいくらいの祝福を会場の長崎の皆さんにしてくれていました。
その日のうちに東京に戻り、東日本大震災被災者との集い、東京ドームのごミサの撮影もさせていただきました。教皇様の記念すべき来日の写真を撮らせてもらうということで本当に貴重な時を過ごさせていただきました。ありがとうございました。本当に感謝いたします。
撮影中に教皇様のお気遣いに気付き、多くの人に手を振りそして寄り添い、カメラマンへも視線をくださる。私はその瞬間にピントを外さないように撮るのを楽しんでいたような気がします。その写真たちがやっと皆様に見ていただける機会をいただけたことを心より喜んでいます。皆様にたくさんのカメラマン達の熱意、思いが伝わることをお祈りしています。
長崎県 新上五島町 桐教会出身 峰脇英樹
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共に祈ってくださる方・フランシスコ教皇
フランシスコ教皇来日記念公式記録集が発刊となり、改めて振り返る事が出来ることを心待ちにしていました。38年ぶり2回目のローマ教皇来日という歴史的な現場に立ち会えたことは、私の写真家人生で最も大きな事件になると確信しています。
今回25名の写真家がカトリック中央協議会(CBCJ)公式カメラマンとしてフランシスコ教皇を追いかけることとなりました。その立ち位置は新聞雑誌などその他の広報よりも優先されたポジション…のはずでしたが、実は日頃から教皇さまの動向を伝える「バンプ」と呼ばれる世界中から集まった随行記者団が存在し、世界で唯一核兵器が使われた国・日本で教皇さまが何を発信するのかが世界中から注目されていたために、流動的なその数が今回は100名近くにも膨れ上がるだろう、そして取材についてこのメンバーが誰よりも優先されるということを知らされました。
そんな中でもCBCJ事務局、電通スタッフの皆さんの熱意が通じて、来日中各地で奇跡のような撮影が行われることになりました。その成果を、この記録集でご覧頂ければと思います。
個人的に最も印象深かったのは間近で撮影した広島「平和のための集い」で、世界的VIPでありお年の割に高身長の教皇さまが、どなたにも身をかがめ誰より小さなものとしてご挨拶をされるお姿でした。それなのに会場は教皇さまの大きなスカートの中に包まれたような、心を開き苦しみを解き放ちすべてを神さまに委ねよう、という空気で一つになったのです。それはご自身の人生を通していつも苦しんでいる人と共に歩んでこられたことを、ここでも明かししようとするものでした。
それを一番敏感に感じ取られたのは被爆者遺族の皆さまだったのではないかと思います。お一人お一人との交流はほんの短い時間だったけれど、寄り添うメッセージはあっという間に各々の心の奥底に沁み渡り、最後は馴染みのおじいちゃんと挨拶するかのように、教皇さまも長いこと会えなかった親戚に向けるような優しい眼差しで「いつも一緒ですよ」と去りがたいご様子の、交流の糸が見えるような退場のシーンでした。分刻みの予定が組まれた教皇さまの、台本にないこのような時間は他でもたびたび運営サイドをハラハラさせたと思います。
この記録集を通して教皇さまが日本で様々な困難の結び目を解くよう共に祈ってくださった軌跡を、皆さんにお伝えできますよう心から願っています。教皇さま来日を支えてくださった全ての方に心から感謝いたします。
石田美菜子
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教皇フランシスコ訪日公式フォトグラファー
(50 音順、カトリック中央協議会職員を除く)
飯國 清
石田美菜子
今村勝巳
賀地マコト
神崎博文
小杉朋子
白濵定市
髙木 淳
高野孝之
中倉壮志朗
中澤久和
中山正寿
浜辺耕作
深堀範人
古郡美はる
本郷 剛
増森 健
松田典子
松林政寛
松室康彦
三登昌二
峰脇英樹
山添亜理沙
渡部信光